【独学14時間】第二種電気工事士・技能試験合格までの道のり | さとるパパの住宅論

【独学14時間】第二種電気工事士・技能試験合格までの道のり

※当サイトは、アフィリエイトプログラム(Amazonアソシエイトなど)を通じ、商品またはサービスの紹介・適格販売により収入を得ています。詳細...

スポンサーリンク

国家資格・第二種電気工事士には、学科試験と技能試験があります。この度、5月に学科試験に合格したので、7月になって技能試験を受けてきました。正式な結果が出るのは約一か月後ですが、たぶん合格できたので、それまでに学習したこと等について紹介しておきます(後記:合格してました)。

スポンサーリンク

技能試験の概要

第二種電気工事士の技能試験は、自前の工具を持って試験会場へ行き、当日配布される材料を使って、40分という制限時間で配線を完成させるというものです。

未完成であったり、規定された欠陥が1つでも該当すれば不合格となります。

というと難しそうですが、候補問題は事前に公表されていて、毎年ほぼ同じ13種類の回路図から1題が出題されます。受験者のうち7割くらいは合格できます。

学習の流れと試験当日

お金と時間を気にせず、合格率を上げることが目的であれば、新品の工具と練習用材料2周分(26回分)を購入し、講習会に参加して練習するのが一番です。

でも私の学習方針は、なるべくお金と時間をかけずに合格することです。

多少の不安や失敗はありましたが、中古の工具と少ない材料で次のような対策を行いました。

まずは動画を見て作ってみる【2時間】

技能試験の課題や工程はどんな感じなのかは、動画を見るのが手っ取り早いです。
YouTubeでは、ホーザンなどいくつかのチャンネルが技能試験の公表問題の作業を解説しています。

私はそのなかでも、日本エネルギー管理センターの解説動画を中心に取り組むことにしました。
コメントで教えていただいたこのチャンネルは、ホーザンより短く簡潔にまとまっていて、私好みです。

このチャンネルの特徴は、複線図を描かずにいきなり作業を開始し、時短で作品を完成させる方法を解説していることです。
複線図を描かずに正確に作業できる自信はありませんが、とりあえず、公表問題 No.1 の動画(約1時間)を 1.25倍速で見てみました。

学科試験では学ぶことがなかった覚えるポイントがいくつかあります。

次に、動画で見た作業を実際にやってみます。
材料を用意し、複線図を描くところから時間を計って挑戦してみると、「ここはどうするんだっけ?」と悩む箇所が多数あります。間違えたりしながらようやく完成させると、45分くらいかかっていました。
時間オーバーです。

つまづいたところを動画で振り返ってチェックすると、多くの学びがあり、欠陥もいくつか見つかりました。

技能試験までには残り12個の問題を攻略し、そのうえ短時間で正確に完成させる技術を習得する必要があります。
大変そうで、先が思いやられます。2カ月以上あったとはいえ、学科試験のようにラクはできないなと思いました。

あとで知ったのですが、この No.1 の課題は 13課題の中でも難易度の高いほうのようです。

全問題を把握する【6時間】

1週間後、次は No.2 の問題について、同様に動画を見てから実際に練習してみました。
今度も 45 分かかりましたが、前回よりはうまく行きました。

ここで気づきます。どの問題にも共通する作業が多く、複線図さえ描ければ、問題ごとに固有の新しい内容は多くないということに。

そこで、No.3~No.13 については、複線図を描いてみて、どうやって作業するのかわからない箇所だけを動画で確認することにしました。

一問あたり 20~30分くらいかけて、4時間くらい勉強しました。見慣れない器具は、実際に触って作業をイメージしたり、部分的に作業練習したりしました。

同時に、時短テクについてもいろいろと検討してみました。複線図を描かないことは明らかに時短になりますが、そのための練習も必要になるので保留とし、ひとまずは簡易的な複線図をすばやく描くことにしました。

難問だけ練習する【4時間】

この時点でほとんどの作業や覚える内容は習得できたつもりでしたが、実際に 40分以内に作業できる自信はありません。

しかし、ふつうの難易度の課題を試しに時間を計って作ってみたら、今度は初めて時間内の 35分で完成することができました。

13問を眺めてみると、難易度には明らかに差があります。
そこで残りの時間は、難しめの問題を中心に、時間を計って合格できるレベルまで練習を繰り返すことにしました。

私的に難易度が高い問題は、6, 7, 11, 12 あたりで、これらは一回は経験しておいたほうがよさそうです。

すると今度は作業の慣れもあり、35~37分でなんとか完成させることができました。

難問が時間内にできるなら、他のすべても何とかなりそうです。これで時間が足りないようならば複線図を描かない方法を練習するつもりでしたが、複線図を描いたほうがミスをせず、時間にも間に合いそうなので、複線図は描くことにしました。この時点でほとんどの問題は複線図を描かずに結線できそうな気もしましたが、できるかどうか確認練習するのが面倒臭かったので。。。

直前の練習【2時間】

本番では練習よりうまくできないこともあるかもしれません。
9割くらい合格できそうな感触でしたが、少しでも合格率を上げるため、最後の仕上げです。

技能試験で欠陥とされる基準は公開されており、それについての解説も以下にまとめられているので、これを読みます。講習会では作品の欠陥を第三者にみてチェックしてもらうことができますが、独学では自分で気づく必要があるのが難しいところです。

欠陥の判断基準等について | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター

また、複線図を描く練習も行いました。すべての問題をミスなく 2 分くらいで描けるように、2 周しました。

技能試験当日

試験会場は数千人もいる大会場で、自分のようなおっさんを中心に、幅広い年齢層の人が受けに来ていました。

配られた問題は裏返しになっていても透けているので、だいたいわかります。
実際に練習したことがない問題でしたが、難問は網羅したので、それほど難しくない問題ということです。

30分で作品が完成し、10分かけて見直すことができたので自信はあり、たぶん合格できたことでしょう。
自画自賛ですが、終わってみると周囲の人よりもきれいに作品が仕上がっていて、落ちた気がしません。

おめでとう、自分。これで落ちていたら 1 時間落ち込み、再試験も諦めるかもしれません。

学科試験は16時間の勉強で合格し、技能試験はもっと大変かと思いましたが、結局 14 時間ほどと同程度でした。

お金をかけずに技能試験に合格するには

お金と時間をかけずに技能試験に合格するためにはこうすればよかったと思ったことを書いておきます。

配線器具と電線の反省点

私は器具と電線は中古でメルカリで購入し、足りない電線だけをヨドバシなどで追加購入したのですが、これはやや失敗でした。
器具は中古でもよいとして、問題は電線です。電線をケチって再利用すると本番と同じ練習はできないし、なにより、何が足りないのかをいちいち確認して購入するのが手間でした。

次のようなサービスを利用してレンタルすれば、それほどお金をかけずに手間を省けるのでお勧めです。

準備万端シリーズ公式サイト|電気工事士技能試験練習用材料の購入、レンタル

工具の反省点

工具はすべて必要だと思ってセットで購入しましたが、これには無駄が多かったなと思います。
技能試験では指定工具をすべて必ず持参することになっていますが、別に確認されるわけでもないので、使わない重い工具をわざわざ持っていく必要はありませんでした。

たとえば前記の動画を見てみると、ウォータポンププライヤは No.11 でしか使わないし、使わないで締める便利な方法もあります(手袋が必要)。

結局のところ、私が持って行って便利に感じたものは以下がすべてでした(太字は指定工具)。

  1. VVFストリッパー
  2. リングスリーブ用圧着工具
  3. プラスドライバー
  4. ペンチ
  5. 電工ナイフ
  6. 30cm定規
  7. 合格マルチツール
  8. 腰袋
  9. 手袋
  10. マスキングテープ

好みもありますが、工具セットなどに含まれているよくある工具のうち、次のものは私は必要性を感じませんでした。

  • ウォータポンププライヤ(手袋で代用)
  • スケール(VVFストリッパーの目盛と定規で代用)
  • マイナスドライバー(合格マルチツールで十分)
  • 電工ナイフ*
  • 合格クリップ(外さなくてはならない)

* 電工ナイフは便利ですが、ゴムブッシングを切ることにしか使わないので、それならニッパーで代用できます。合格マルチツールでゴムブッシングを切ることもできますが、作業効率的にお勧めできません。

以上から振り返ると、いくつかの工具は持っていたため、本当に購入が必要なものは、VVFストリッパー、圧着工具(黄色)、合格マルチツールくらいでした。それなら、全部新品でも 8 千円くらいで購入できます。

合格マルチツールがマイナスドライバーより便利なのは、電線の差し込みを間違えた場合のプレートはずしキーとして使いやすいことと、リングスリーブ保持穴が電線4本などのギリギリの押し込みに役立つからです。

第二種電気工事士試験にかかる総費用

第二種電気工事士を安く取得しようとした場合にかかる費用は以下の通りです。

試験受験料:9,300円
筆記試験対策本:約2千円
技能試験用工具:約1万円
技能試験用練習セット:約9千円(レンタル1回分)
免状交付手数料:約5千円

合計:約3万5千円

一般的には5万円前後かかり、まあまあ費用がかかることがネックだったりする第二種電気工事士試験ですが、ある程度は費用を下げることもできます。

筆記試験対策本、工具、器具セットはメルカリなどで中古購入し、使用後に売ればもっと節約することも可能です。

関連
電気工事士の資格を取得しようと思います。
【独学16時間?】第二種電気工事士・学科試験合格までの道のり

コメント

  1. いち読者 より:

    さとるパパさん、

     電気工事士試験の合格、おめでとうございます! 実務経験なしにもかかわらず試験一回での合格は素晴らしいです。自分の家の電気工事が出来るようになりますと、コンセントやスイッチの工事のかなりの部分が電気屋さんに頼まなくてよくなりますからスピーディになりますね。第二種電気工事士の資格は、持ち家を自分でメンテナンスするには不可欠の資格だと思います。いまはお忙しいとのことですがお時間が出来たら新しい記事を公開ください。拝読するのを楽しみにしています。

     拙宅では最近蓄電池を導入しまして、設置していた太陽光の電気を貯めておくことが出来るようになりました。電気料金がこれほど高騰するとは10年前は思ってもいませんでしたから、将来の不確実さに対応できる選択肢があるのはリスクを下げることにつながります。

     「いち読者」より

    • さとるパパ より:

      ありがとうございます!
      免状の取得に時間がかかりそうですが、いずれライトや換気扇を交換したいと思っております。
      太陽光+蓄電池は相性いいですね。

タイトルとURLをコピーしました