新型コロナウイルス感染症対策として、「3 つの密」を避けることが重要であり、その一つとして「換気の悪い密閉空間」を避けることが推奨されています。
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の見解等(厚生労働省のページ)
この「換気の悪い空間」とはどの程度の換気が行われている空間なのかについて調べてみたところ、私がまとめるまでもなく正確かつ適切な情報が公開されていたので、その 2 つの情報を紹介したいと思います。
まず、厚生労働省からは以下の文書が公表されています。
商業施設等における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気についてhttps://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000616069.pdf(PDF 全 7ページ、厚生労働省)
なかなか専門的な内容ですが、施設のタイプ・目的ごとに、感染症防止の観点から推奨される換気量・回数について、一人あたり毎時 30m3 以上、換気回数で毎時 2 回以上などの定量的なデータがまとめられています。
「まとめ」には以下の記述があります。
ビル管理法における空気環境の調整に関する基準に適合していれば、必要換気量(一
人あたり毎時 30m3)を満たすことになり、「換気が悪い空間」には当てはまらないと考
えられる。
大規模商業施設はいくらガラガラでも外出自粛要請が出ている状況では行く気がしませんが、維持管理が適切に行われていて、換気計画における想定利用者の上限を超えていなければ、換気量として大きな問題はないようです。
生活上の感染のリスクとしては、混雑しているスーパーやドラッグストアのほうがハイリスクな感じがします。Google で店舗名を検索すると混雑する時間帯がグラフでわかるので、なるべく空いているときに利用するようにしています。
上記文書には他にも気になる具体的な情報が多数ありますが、下手に紹介して誤解を招くとよくないので、定量的なことに関心のある方は原典をお読みいただくことをお勧めします。
次に紹介するのは、日本建築学会と空気調和・衛生工学会から公開された資料です。
新型コロナウイルス感染症制御における「換気」に関して「換気」に関するQ&Ahttp://www.shasej.org/recommendation/shase_COVID_ventilizationQ&A.pdf(PDF 全 12 ページ)
こちらは一般向けであり、換気についての基本から、換気方式、必要換気量、換気効率、コロナ対策との関連についてまで、重要事項がわかりやすくまとめられています。
家族が新型コロナかもしれない風邪を引いたときに感染を広げない方法を知りたい方はもちろん、これから住宅を建てるうえで換気についての基礎知識を身に付けておきたい方にも、非常にお勧めです。最初の文書がよくわからなかった方は、まずこちらを先に読むことをお勧めします。
新型コロナ対策としては換気以外にもさまざまな注意が必要ですが、私としては、とりあえず換気のフィルター掃除をサボらないようにし、もし人が集まらざるを得ない状況があれば窓開けに注意を払うようにしようと思っています。
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