木造住宅の 4 つの工法

シェアする

木造住宅の工法は、各企業が独自の名称を付けていることが多いため、わかりにくくなっています。実際のところは類似の工法がほとんどで、境界が微妙なところもありますが、大別して次の 4 種類に分けられます。

それぞれについて解説します。

木造軸組工法

別名:在来工法、金物工法、ドリフトピン工法、マルチバランス構法、シャーウッド構法、KES構法、テクノストラクチャー工法、ウインウッド工法、HSS金物構法、FP軸組工法、ウッドパネル工法、グランドスクラム構法

Wikipedia「木造軸組構法」より

日本で昔からある、柱と梁(はり)からなる構造です。日本では最も多い工法ですが、細分化するとさまざまな仕様があり、耐震性もさまざまです。軸組構造では柱と梁の接合部に大きな負荷がかかるため、この部分の強度が重要になります。そのため、阪神大震災以降では、木を削って組み合わせる方法ではなく、木をあまり削らずに「金物」を使って柱と梁を接合する方法が多く出現しています。これは、Wikipedia で「ドリフトピン工法」として説明されています。

木造軸組工法では、柱と梁に加え、地震時に水平方向の力に耐える部材が必要になります。阪神大震災で、これがない家が多く倒壊したためです。この部材は、斜めの木材を入れる「筋かい」が一般的でしたが、最近では構造用合板やパネルなどの面材を使うことが多くなっています。その方が高い強度が期待できる(=壁倍率が高い)からです。これは後で紹介する木造枠組壁工法の手法を採り入れたものであり、合板を張った状態だとどちらの工法も外見は似ています。しかし、枠組壁工法が壁(面材+枠材)のみで柱のない構造となっているのに対し、軸組工法では柱をメインとして面材を補助的に使用するという構造のため、実際の力のかかり方は全く異なります。このため、軸組工法では地震時の変形や上部の揺れが大きくなり、内装材や外装材の被害、家具の転倒被害が発生しやすい性質があります。これに対しては、揺れを軽減する制震装置が効果的です。

これら「金物」と「面材」を使用した木造軸組工法は、従来の軸組工法と違って高い耐震性を持たせることができます。きちんと建てられた住宅では、過去最高レベルの地震が発生しても倒壊は免れることができるでしょう。そのため、弱い木造軸組工法との区別を図ってさまざまな名称が付いていますが、基本的には同様のものです。耐震性の高さは、面材の量(壁量)と配置のバランス、家の屋根などの重さ、制震装置の有無、直下率などによって差が出ます。耐震等級 3 を確保しているか、個別の構造計算を行っているかなどを確認するとよいでしょう。

関連記事:
面構造と軸組工法
積水ハウス・シャーウッドは本当に地震に強いのか

木造ラーメン工法

別名:ビッグフレーム構法、SE構法

Wikipedia「ラーメン (骨組)」より

従来はラーメン構造というと鉄骨でしたが、木造でも技術的にできないことはありません。上記の軸組工法を発展させ、柱と梁の接合部をさらに強固なものにすると、ラーメン構造にすることができます。接合部が強固であれば、四角形のフレームは安定した構造になります。このため、木造軸組工法と違って、横方向の力に耐える部材が不要になり、大開口が可能になったり、将来の間取り変更の自由度が広がったりします。しかし、木材は鉄より強度が低いため、各部材の断面は非常に大きくなり、高精度な加工が必要で、高コストになります。シャーウッドのように、大開口などの必要に応じて部分的にラーメン構造を採り入れる場合もあります。

関連記事:
壁倍率は高いほど良いか(住友林業のビッグフレーム構法を考える)

木造枠組壁工法

別名:2×4(ツーバイフォー)、2×6(ツーバイシックス)工法

Wikipediaより

世界的に一般的な木造住宅の工法です。輸入工法のため、洋風住宅が多くなっています。日本では「木造枠組壁工法」の仕様が建築基準法で規定されているため、この仕様に合わないと「木質パネル工法」といったりするようですが、一条工務店のツインモノコック構造やスウェーデンハウスなどもほぼ同じ工法です。

耐力壁と床と屋根を一体として組み合わせることで、強固な箱型の構造を実現しています。耐力壁とは、約 2 インチ X 4 インチ(6 インチ)の断面の枠材と、構造用合板などの面材をクギ打ちしたものです。面構造で力を分散して受けるために高い耐震性があり、耐火性・断熱性・気密性・防音性にも優れています。

一方、軸組工法よりも広い面積で構造を支えるため、開口部に関する制約は多くなります。窓などは、パネルの一部をくり抜くような形にする必要があるためです。とはいえ、窓が小さいわけではないことは、三井ホームなどの展示場を見ればわかります。軸組工法との見分け方として、建築中に屋根より先に壁ができていたら、この工法です。

参考 ツーバイシックス工法のまとめ

木質パネル接着工法

別名:SxL構法

木造枠組壁工法と同様に、パネルを組み合わせて強固な箱型の構造にしたものです。ミサワホームとエスバイエルが提供しています。木造枠組壁工法と違う点は、パネルの接合に接着剤などを使用している点です。木造枠組壁工法では金物も使用しますが、基本はクギです。その点で、強度や耐久性が異なる可能性があります。地震に強い特長は木造枠組壁工法と同様ですが、気密性能はあまり高くないようです。

関連記事:
ミサワホーム木質系とミサワMJホームの耐震性能を比較する

なお、気になる住宅会社で上記工法の見分けがつかない場合は次の記事をご覧ください。

木造住宅には 4 つの工法(軸組工法、ラーメン工法、枠組壁工法、木質パネル接着工法)があるということを以前の記事で紹介しましたが、ハウスメー...

フォローする