高断熱・高気密住宅は乾燥する?

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高断熱・高気密住宅は冬に乾燥するという話をよく聞きます。

一条工務店、スウェーデンハウスに住んでいる人のクチコミなどでよく見かけます。全館空調は乾燥するという声もあります。

しかしながら、エアコンなどの暖房では、通常、除湿や加湿は行われていません。それではなぜ乾燥するのかというと、実は家の中が暖かいからなのです。

室内が暖かいと乾燥する理由

これは、温度と相対湿度、絶対湿度の関係を理解する必要があります。

絶対湿度が空気中に含まれる水蒸気の密度(g/㎥)を表すのに対し、相対湿度は、「ある空間の水蒸気量」を「その温度で保持できる最大の水蒸気量」で割った割合(%)を表します。

そして、空気には、気温が高いほど水蒸気を多く抱え込むことができる性質があります。

このため、気温 0 度では相対湿度 100% の空気でも、暖めて気温 25 度にすると、相対湿度は 21% にしかなりません。このときの絶対湿度は 4.9 g/㎥ であり、一定です。

気温差による相対湿度の違い

相対湿度 21 % とは、なかなか乾燥している状態です。そんなわけで、外気を取り入れて換気を行う現代の住宅で暖房を使うと、乾燥は避けられないのです。

なお、昔はエアコンや暖房で乾燥するという話をあまり耳にすることがなく、最近になってから加湿が言われるようになったのはなぜなのでしょうか。

かつて冬の乾燥が気にならなかった理由

昔の住宅は家の中も寒かったということもありますが、以前暖房の中心であった石油ストーブの場合、燃焼によって水蒸気が発生します。それに加えて暖房の上にヤカンを置いておくことも多いため、自然に乾燥を防ぐことができていたのです。

ちなみに、高断熱・高気密住宅で石油ストーブを使ってはいけないと言われるのは、暑くなりすぎるのと、空気を汚してしまうからです。石油ストーブは低気密低断熱住宅向けの暖房器具と言えます。なお、室内の空気を汚染しない FF 式ストーブというものもあります。

暖房による乾燥を防ぐ方法

暖房で乾燥するのは仕方ないことですが、乾燥を放っておくと皮膚の乾燥やウイルス感染などが問題になってきます。そこで、住宅でできる乾燥を防ぐ方法を列挙してみました。

・設定温度を下げる
・加湿器を利用する
・洗濯物を家に干す
・換気量を落とす
・風呂のドアを開ける
・観葉植物を置く
・加湿機能付きの空調を採用する

どれも 1 つでは決定的な効果は見込めず、手間がかかるなどのデメリットもあるため、暮らしながら妥協点を探っていくことになります。これらの湿度管理は、気密性が高い住宅ほど効果が高くなります。高い気密性が必要なのはこのためでもあります。加湿が箇条になると結露が生じますが、窓の断熱性能が高いほど結露は生じにくくなります。湿度をうまく管理すると、風邪やインフルエンザの予防にもなります。

乾燥はイヤ、高断熱・高気密住宅は面倒くさいと思うかもしれませんが、有害物質を出す石油ストーブを利用したり、凍える寒さに耐えるよりは、ずっとマシではないでしょうか。

参考 高気密・高断熱住宅に関するまとめ

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