高断熱住宅は結露が発生するという誤解 | さとるパパの住宅論

高断熱住宅は結露が発生するという誤解

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高断熱住宅は結露が発生するという人がいますが、結露が発生する原因は断熱性がそれほど高くないからか、換気の問題です。十分に高い断熱性があれば、換気が効いている限り結露は発生しません。結露が発生するのはむしろ、高断熱でない住宅です(室内外の温度差がないほど寒い家なら発生しませんが…)。

結露が発生する場所は、暖かい空気が急激に冷やされるところ。断熱性があまりに低く、家の中と外の温度差がない場合には結露は発生しません。従来のふつうの住宅では、部屋を暖かくすることはできますが、一重のガラスやアルミサッシの温度が低いので、そこで室内の空気が冷やされて結露が発生します。このため断熱性を上げると結露が発生するのではと思ってしまいがちですが、断熱性をさらに上げると、室内の空気が冷やされる場所がなくなるため、結露は発生しません。

家の中で最も温度が低い場所は、壁よりもずっと断熱性が低い(=熱伝導率が高い)、窓やサッシです。断熱性の高い木製サッシや樹脂サッシのトリプル(三重)ガラスでは室内側の温度が室温に近いため、よほどのことでは結露は発生しません。ペア(二重)ガラスでは、換気が効いていなかったり、加湿が過剰であると、結露が発生する可能性があります。同じペアガラスでも、樹脂サッシや高断熱アルミ樹脂複合サッシ(サーモスXなど)では比較的発生しにくいですが、普通のアルミ樹脂複合サッシやアルミサッシではこれらより結露が発生しやすくなります。

冬の乾燥を防ぐために相対湿度を40%程度にするならば、ペアガラス以上、高断熱タイプのアルミ樹脂複合サッシ以上の仕様にすることをお勧めします。

24時間換気が義務付けられてから、換気すると寒いといって換気を止める方もいるようですが、生活ではたくさんの水蒸気が発生するため、水分の逃げ場がなくなって結露が発生することになります。空気が汚れ、シックハウスの原因になるばかりでなく、ダニやカビも発生しやすくなり健康に良くないため、換気扇を止めることは避けた方が良いでしょう。仕方なく換気量を落とす場合も、結露が発生しないかどうかに注意しながら調節することをお勧めします。

参考)

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