夏の冷房の消費電力を抑えるプチ実験の結果 | さとるパパの住宅論

夏の冷房の消費電力を抑えるプチ実験の結果

※当サイトは、アフィリエイトプログラム(Amazonアソシエイトなど)を通じ、商品またはサービスの紹介・適格販売により収入を得ています。詳細...

スポンサーリンク

この夏 8 月のエアコン(全館空調)は、消費電力を抑えつつ高湿度を回避することをテーマとして運用してみました。時間単位の消費電力とエアコンの設定(再熱除湿、冷房など)の関係についてデータが集まったので、その結果について考察してみます。

スポンサーリンク

湿度管理はうまく行ったか

低コストに湿度を下げるため、なるべく再熱除湿を使用せず、弱冷房除湿または冷房(風量自動)を使うことにしました。

わが家の全館空調は弱冷房除湿でも効きすぎるので外気温が高くないと使えない(詳細記事)のですが、8 月の夜はさすがに暑い日が多いので、ほとんどの日を弱冷房除湿のみで除湿することができました。相対湿度で 50% 程度にできます。

ただし設定温度が少しでも高めだと除湿できないこともあり、その場合はすぐに 80% くらいの湿度になっていました。熱帯夜にならない程度の高湿な日には、再熱除湿がやはり有効です。

ちなみに室温は家族の希望で24.5 ℃程度まで下げているので、寒いという人もいます。室温を高めに設定する場合には、わが家の条件で弱冷房除湿を行っても湿度を下げることは困難でしょう。より高気密な住宅で小容量のエアコンを使えばできるのではないかと思っていますが、そこはなんとも言えません。

節電できたか

空調・換気のみの電気使用量と電気料金を昨年と比較すると、以下のとおりでした。

2018年8月:741 kWh、16,476円(32日間、月平均気温27.6℃)
2019年8月:717 kWh、16,504円(33日間、月平均気温28.1℃)

昨年と室温はほとんど変えておらず、違いは上記のようにほぼ弱冷房除湿のみを使用したことです(昨年はいろいろ迷走していたと思います)。

再エネ賦課金を含めると電気単価が約 4% 上昇しているため、電気料金で見るとほとんど節約できていませんが、1日当たりの消費電力で見ると約 6% 節約することができました。

再熱除湿は高かったか

夏のある日、間違えて夕方まで再熱除湿にしていた日がありました。その日の消費電力をチェックするとだいたい 1.3 kW となっていて、普段よりはやや高めでした。ただ、アホみたいに高いということもないので、再熱除湿も必要に応じて使っていくのは問題ないと思いました。

以前、夏のエアコン連続冷房時の最大消費電力を調べた結果、再熱除湿はやはり高いと書きましたが、これは憶測でした。今年はこのときのように14時から17時の消費電力が極端に高いことがなかったので、なぜこんなことになっていたのか、今となっては不明です。日射遮蔽を忘れて冷房温度を最悪のタイミングで下げていたのかもしれません。

冷房ピーク時の熱量の内訳は?

冷房の時間別消費電力のデータを見ていると、それほど変化はありませんが、朝方は少なく、夕方 16時頃が比較的多い傾向がありました。夕方 16 時というと、西日が強く、気温も 34 ℃くらいあったりする時間です。この 1 時間の消費電力は約 1 kWh だったので、冷房 COP をかけて冷房負荷は 3.8 kW くらいということになります。

冷房負荷は、理論上、内外温度差による熱取得、日射熱取得、内部発熱の合計です(たぶん)。

この内訳がどうなっているのかが気になったので、以下のように試算してみました。

追記:コメントを頂きましたが、空調では湿度も調整しているのに潜熱負荷を考慮していませんでした。そんなわけで結構テキトーな分析です。冷房負荷や潜熱・顕熱についての正確な知識は一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センターによる「蓄熱WEB講座PRO」の第3章に詳しく説明されているので、今後勉強します。

外気温との差と住宅仕様から算出した冷房負荷:2.5 kW

これは、暖房負荷から必要なエアコン能力(kW)を計算するツールを使用しました。

日射熱取得:0.8 kW

これは、この記事のグラフを参考に 16 時の西日の日射量を 600 W/㎡とし、以下のように西面のみの窓ごとの窓面積と日射熱取得率から算出しました。ちなみにわが家は南北方向の長方形に近い形状なので西側の面積が大きく、また、隣が畑で日当たりがいいなのでもろに影響を受けます。

参考までに、日射遮蔽をまったく行わなかった場合は 1.3 kW 程度になります。

内部発熱:1.0 kW

この時間帯の 1 時間の消費電力(空調以外)が約 0.8 kWh だったので、人体発熱を 0.2 kW として合計 1.0 kW としました。

計算上の冷房負荷は 2.5 + 0.8 + 1.0 = 4.3 kW です。1 割ちょっとの誤差に収まったということは、この試算も大きく違ってはいないでしょう(追記:まあまあ違っていそうです)。個別のケースで違いますが、わが家の場合、夏のピーク時の冷房負荷の内訳は、断熱:日射熱:内部発熱= 58%:19%:23% くらいのようです。猛暑日にもなると、夏でも断熱の効果は意外と大きいものです。ピークでこれなので、24時間で考える内部発熱の影響もやはり結構大きそうです。

冷房が効かない原因?内部発熱の影響をワット単位で考える

コメント

  1. 匿名 より:

    消費電力ベースで算出した推定負荷のうち、
    顕熱比(SHF)を勘案すると顕熱だけの負荷は
    3kw以下ぐらいになるのかなと思いました。
    とすると理論上の推定負荷との差は開くわけですけど、何が原因なんでしょうね?
    そもそもの考え方が間違ってたらすみません。

    • さとるパパ より:

      ご指摘ありがとうございます。冷房負荷について勉強不足で、換気・漏気などに伴う潜熱負荷を考慮していませんでした。
      顕熱比がどのくらいなのかわかりませんが、確かに上記計算との差は大きそうですね。
      いろいろ考えると複雑ですが、日射熱や内部発熱は熱が空気に伝わるまでに時間差があることが大きい気がします。
      今度できれば24時間の推移でグラフ化してみたいと思います。

タイトルとURLをコピーしました