空気がきれいな換気方式はどれか?

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換気システムは多種多様ですが、空気の清浄さについては各方式でどのような違いがあるのでしょうか。

各タイプについて、三ツ星評価と特長、注意点を紹介したいと思います。

第三種ダクトレス(★★)

もっとも低コストで一般的な換気方式ですが、シンプルゆえ良いこともあり、住宅性能について研究熱心な方でも結局これを採用するケースもあります。

ただし、かなりの高気密でないとうまく機能しない問題がある(詳細記事)ため、注意が必要です。気密性が低いと、外の空気が家のすき間から、しかも不均一に侵入してしまいます。

高気密で換気が機能している場合の空気質はふつうです。なお、40坪以上の住宅や、閉鎖的な間取りの住宅にはあまり向きません。

第三種排気型セントラル換気(★★★)

給気にダクトを使用せず、排気専用のダクトを使用して機械的な排気のみを行うシステムです。ダクトが汚れても、そこを通る空気は外に捨てられるだけなので問題になることがありません。

また、各部屋で一定の換気量を確保できるので、換気が効率的に機能しやすくなります。これにより、新鮮な空気が給気口経由で入る割合が多くなり、良好な空気質を維持できることが期待できます。

特にきれいな空気というわけではありませんが、汚染していないことがまず重要です。

第一種換気ダクト式

全熱交換型と顕熱交換型がありますが、共通することは、給気と排気にそれぞれダクトを使用するセントラル換気システムであるということです。

給気の取り込み口を一箇所に絞ることができるため、そこにフィルターを設置すれば花粉や PM2.5 などを除去できると言われています。また、交通量の多い道路に面した住宅などでは、道路の反対側のみから空気を採り入れるようにすることができます。

しかしながら、目の細かいフィルターを挟むと目詰まりしやすいため、高価なフィルターを頻繁に清掃・交換する必要があります。目詰まりしたまま使用すると換気量が落ちてしまうので、高性能フィルターはあまりお勧めできません。花粉対策を重視するなら、洋服に付着した花粉を持ち込まない工夫や、掃除の徹底、空気清浄機などで対策すべきかと。

一番の問題は、設備の汚染です。フィルターが詰まると換気不足になりやすいため、クリーニングを定期的に行うことは必須になります。複雑な換気装置の点検・整備も、定期的に行う必要があります。

また、日本ではダクトはメンテナンスフリーとして何もしないことが一般的です。しかし吹き出し口にホコリがたまることからわかるように、ダクト内も汚染が蓄積することが予想されます。給気にダクトを使用するため、ダクトが汚染すると、常に汚染したダクトを空気が通ることになります。

この問題については、次のサイトに詳しく述べられています。

古くから熱交換型換気を採用してきたスウェーデンや北海道ではシックハウスやコストなど問題から現在は第三種が主流になっているとのことで、この教訓は無視できません。

全熱交換型(★)

全熱交換型換気では、水分を回収する性質上、排気すべき汚染物質もいっしょに回収してしまうリスクがあります。トイレや浴室の換気を換気システムの対象外とし、個別の排気専用換気扇を付けているのは、このためです(このため、換気全体の熱交換効率も落ちます)。

水分の回収は夏にジメジメする温暖地では大きなメリットになりますが、空気の清浄さに関してはデメリットとなってしまいます。

顕熱交換型(★★)

こちらは水分を回収しないため、ダクトの汚染のみの問題となります。

第一種熱交換型ダクトレス式(★★)

ダクトレスの熱交換型換気システムは、ダクト汚染の問題からは解放されますが、全熱交換型では排気すべき汚染物質を回収してしまうリスクは残っている可能性があります。

また、一箇所で給気と排気を行うため、換気装置から離れた空気が動きにくく、設備の近くでしか空気が循環しない(ショートサーキット)という問題もあります。

評価について

清浄な空気という観点でみると、第三種排気型セントラル換気が現時点で最も優れていると個人的に考えています。この方式の空気の質はというと、簡易なフィルターを通して取り入れただけのものです。その他の方式は、そもそも有害物質(および湿気)がきちんと排出されるのかという、換気の基本的な機能の面で懸念が残ります。

最新の換気システムを採用すれば清浄で健康に良い空気が手に入ると思っていた方には、がっかりさせる内容だったかもしれません。しかし、きれいな空気以前に、換気がきちんと機能するかどうかが大きな課題となっているのが現状だと思われます。

どの方式でも、換気効率は高気密であるほど高くなります。気密性能に関する記事はこちらのカテゴリーでまとめています。

わが家の換気

わが家の換気システムは、今回最低の評価を付けた、全熱交換型の第一種換気です。今のところ問題はありません(認知できないだけ?)が、いずれ問題が生じる可能性もあると思っています。

それでも全館空調を採用したのは、ダクトが多少汚れていても、常に空気が流れていれば空気に溶け出す汚染が高濃度になることはないだろうとか、問題になるほどの汚染物質は発生・蓄積していないだろうとか、楽観的に考えているからです。本当は深刻な問題があるかもしれず、甘い考えかもしれませんが、「多少空気が汚れるとしても、カビが生えていて換気設備も壊れていた昔のマンションよりはマシ」とも思っています。つまり、要求レベルが低いだけです。

現在もダクト式の第一種換気を勧めている住宅会社は多くありますが、本当に問題がないのかどうか、安心できる情報は不足しています。消費者が安心できるよう、長期使用後のダクト内部の状況を確認したり、CO2濃度や汚染物質濃度を測定したりと、しっかりとした調査・研究を行い、公開していただきたいものです。

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