高断熱・高気密住宅のデメリット?

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最近はどの住宅メーカーも高断熱・高気密であることをうたっていますが、高断熱・高気密と聞くと悪いイメージを浮かべる方もいらっしゃることでしょう。高断熱住宅は実際は暖かくないとか、夏が暑いとか、気密性が高い住宅はシックハウスになる、息苦しい、などという話を聞いたことがあるかもしれません。しかし、これらはほとんど誤解に基づく話であり、断熱性能と気密性能は共に、高ければ高いに越したことはありません。なぜ、このような悪いイメージが広まっているのでしょうか。

1.高断熱・高気密の定義があいまい
どの程度の性能であれば高断熱・高気密といえるのかという基準がないため、実際の性能には大きな幅があります。冬暖かくないという話が出てくるのは、高断熱といえるほど実際の断熱性能が高くないことが原因です。また、断熱性が高くても気密性が低いために冷たい風が入ってしまっている、ということも考えられます。断熱性能は Q 値または UA 値、気密性能はC値という値で評価することができるので、これらを確認する必要があります。

2.住宅の換気が昔と異なる
2003年の建築基準法の改正により、新築住宅には24時間換気設備の設置が義務付けられています。このため、気密性が高い住宅といっても空気がとどまることはありません。換気システムによって計画的な換気が行われ、2時間で部屋の空気が入れ替わるようになっています。建材のホルムアルデヒド対策もあり、シックハウスが問題になることは少なくなっています。ただし、計画的な換気を行うためには、高気密である必要があります。空気は通りやすいところを通るため、壁などにすき間があればそこを通り、換気扇から離れたところの空気が停滞してしまうからです。

一方、気密性が低い住宅では、換気が自然に行われますが、その換気量は風の強さによって変わってしまいます。砂ぼこりや花粉、PM2.5も同時に入ってしまい、コントロールすることができません。一方、高気密住宅では、換気量を調節でき、空気の取り入れ口にフィルタを設置することで清浄な空気のみを取り入れることもできます。冬に換気量を落としたり、春や秋の気持ちの良い日に窓を全開にすることもできます。高気密と低気密、どちらがより快適なのかは明白です。

3.設計や住み方に問題がある
高断熱・高気密住宅では日射の管理について従来の家よりも注意が必要です。魔法瓶のような高断熱住宅では、部屋の温度を変化させるのに大きなエネルギーを必要としません。エアコン1台で家全体の温度管理をすることも可能で省エネなのですが、日射熱の影響を受けやすいとも言えます。そのため、安易に日射熱を取り込む設計になっていると、夏に熱くなりすぎ、エアコンが効かずに電気代が増えたりすることになります。最近は高遮熱タイプの low-e ガラスが普及していますが、それでも窓からは日射熱の 4 割程度が侵入します。南面の軒を十分にとったり、庇(ひさし)やサンシェードを付けたり、窓の外側に落葉樹や日よけを付けたりといった工夫が重要です。冬は反対に、日射を多く取り込むことで暖房代を節約したり、無暖房で過ごすといったことも可能になります。

以上から、高断熱・高気密住宅のデメリットとされているのほとんどは、誤解か、解決できることであることがわかります。

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